ネズミーランドで捕まえて(笑)
過去

0.

中2の冬…




私は初めて人を好きになった。


「…あたしと、付き合ってもらえませんか?」

「沢城南(さわじろ・みなみ)チャンだよね?俺も、前から気になってたんだ。」


自分から告白して、あっさりとOKをもらえた。

彼は、顔を少し赤らめながら答えてくれた。


学年でも評判のいい彼と付き合える事になって、あたしは今までの人生で1番嬉しいと思った。








けれど――――





彼はあたしを束縛し、暴力を加えた。


日頃のイライラを、全てあたしにぶつけた。







あたしは、



我慢して、




我慢して、



我慢し続けて、










季節はまた、冬を迎えた。






涙は枯れ果て、体中あざや傷だらけ。








あたしが何度言っても別れてくれなかった彼は、


他の女の子を見つけると、とっととそっちへ行ってしまった。







捨てられた、あたし。










あの悪夢から、3年…


あたしは恋なんてしたいと思わなくなった。






体の傷は癒えても、心の傷は深いまま。







「いつまで過去を引きずってるの?」



「男性恐怖症とか、ダッサー。」



「色々遊んでたんじゃないの?」








――アタシノセイナノ?


――アタシガワルイノ?


――アタシハヨワイノ?


――ダレカ…



ダレカ、オシエテ…









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