新 抱かない男の見分け方
 ちなみに、世界平均では、成人の5人にひとりは1週間に3~4回セックスし、5%の人が1日1回セックスしています。年代別では、35~44歳の人が112回と最もセックスし、25~34歳が108回、16~20歳が90回です。
 これらを見ても、日本人のセックス回数の、なんとお粗末なことか。たしかにアジア諸国のセックス回数は軒並み低い結果が出ていますが、なにもセックスは、ラテン系の専売特許ではありません。私はこの調査発表記者会見のプレゼンテーターとして、英国大使館で、
「夫婦円満のためにも、もっといたしましょう。ニッポンの男性がたはラテン的になってください」
 と力説しました。
 100社を越える記者さんたちはもちろん男性が多かったわけですが、
「そんな調査で回数を自慢しないのがニッポン男子だ」
「恥ずかしいから少なめに回答してるんだ」
「そもそも我が国の女性はそんなにしたいのか」
というような質問が相次ぎ、同席された杉本彩さんと顔を見合わせてトホホとつぶやいたものです。
 たしかに仕事と育児の両立で体力も時間もない、愛の言葉を交わす余裕さえなければセックスなんて二の次三の次。そんな気持ちもわからなくはありません。
でも、もしも……。
「大好きな人とセックスを楽しみ、素敵な時間を共有する、日本をそんなラブでいっぱいの国にします。社長さん方、長時間勤務を禁止します。家族休暇とは別に夫婦ラブラブ休暇を与えてください!」
 こんなマニフェストを掲げた政治家候補が現れたら、迷わず一票を投じちゃいます。少子化が問題となり、その対策として育児休業取得の推進や、保育施設の充実、さらには育児後の女性の再就職支援などが叫ばれていますが、その奥に潜むセックスレス問題の対策が必要ではないでしょうか。


 さきほどのデュレックスのセクシャル ウェルビーイング サーベイは国際的な調査ですが、日本国内では厚生労働省が「男女の生活と意識に関する調査」を2年ごとに行っています。ネットや新聞のニュースで「日本のセックスレスカップル4割」という言葉を見かけたことはありませんか?
 既婚カップルで41.3%が“セックスレス”で、年齢別で見ても35~39歳で46.9%。40歳以上では40%を越える数値が出ています。私がビジネス誌『プレジデント』の調査で分析した結果では、40代以上のセックスレスカップルは7割を越えていました。
 セックスレスの原因を見てみると、男性の場合、「仕事で疲れている」(28.2%)、「出産後何となく」 (17.9%)、「面倒くさい」(12.0%)、女性では「面倒くさい」(23.5%)。「出産後何となく」(20.5%)、「仕事で疲れている」 (19.3%)の順です。余談ですが……「同じ相手とばかりで飽きる、ほかの人ならできる」という選択肢がないのがお国の調査らしいですね。
恋人・夫婦仲相談所に相談に来られる方で、出産を機にしなくなったという理由は多いですが、「面倒くさい」&「なんとなく」というとてもネガティブな理由は、いかにセックスライフがお粗末かということを表している気がします。男性だけでなく女性も「チョーめんどくさっ!」と感じている人がかなりいるということですから。
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