新 抱かない男の見分け方
Q.
「家族になるとセクシーな気持ちをもてない」と日本では男女ともに言いますが、イタリアでは?

A.
 一般的にイタリア人は家族をとても大切にするんだよ。男女限らず大人になっても実家にとどまっていることが多い。とくに南イタリアでは家族は最も重要な存在だから、結婚を決めるときも家族(生まれ育った家族と、これからつくる家族、両方について)のことをまず一番に考えるんだ。
 結婚して新しい家族で子どもができても、『妻』は僕の『マンマ(母)』ではありえないから、いつまでも大切な『妻』であることに変わりはないよ。
 恋人同士のときのような浮わついた情熱的な表現は、結婚して年月が経つと消滅してくるけれど、それに代わって新たな別の愛情がわいてくるんじゃないかな。
 まあ、お互いに愛情が感じられなくなったときには離婚という道を選択して、新たな人生を歩みだすこともあるけれどね。

Q.
 ピエルカルロさんにとって女性とは? セックスとは?

A.
 やっぱり女性は大切な存在だし、愛しあってるんだもの、セックスをするのは自然の成り行きで、素敵なことだと思うよ。

Q.
 浮気心はわきませんか?

A.
 家族のことなど考えず、ひとりで自由気ままに生きていたい人ならば、飽きてしまったら次の女性に移ったり浮気したりすることもあると思うよ。でも、そういうことをしていると一生、本当の愛に気がつくことはできないんじゃないかな? 僕はそんなことはしようとも思わない。

Q.
 マンネリ防止策は?

A.
 もしマンネリを感じたら、それはどちらかのせいではなく、お互いに何か足りないものがあるんだと思う。そんなときはふたりで何か興味をもてることを探せばいい。そうすれば、またふたりとも新たな感情を見出すことができるんじゃないかな?
 僕は、心の内をわかりあうために、わざわざ時間をつくって、1週間ぐらいふたりで旅行に行くんだ。お互いを見つめあうことで、より理解を深めることができるし、旅行中だけでなく、共通の楽しみを計画する時間を得ることができるから、日々の生活にも潤いが生まれるしね。
 そして、さらに一歩わかりあえたときには、日々の生活のちょっとしたことにさえ敏感になれて、パートナーが興味をもつことを理解することもできるし、お互いに尊敬しあうことができるんだよ。
 ムリに相手の趣味に合わせようとするより、会話の中から共通の楽しみを計画しあうことでコミュニケーションを高め、より親密にわかりあえることができると思うよ。
 仕事に忙殺されているカップルが、“ふたりのための時間”を確保することが難しいのは日本もイタリアも同じ。しかし、このようなすれ違いを続けていると、ふたりの関係が乾いてくるだろうし、同じリズムの生活に飽きてもくると思うよ。

Q.
 セックスについてベッド以外でも話をしますか?

A.
 え? 愛し合ってる夫婦ならふつうするでしょ? どうしてそんなことを聞くの? もしかして、日本人はふたりきりでいるとき、セクシーな会話をしないの?

Q.
 日本男性に一言!

A.
 まず最初に、イタリア人男性と日本人男性は根本的に違うと思う。日本人的な感情として『恥ずかしい』というのがあるけど、イタリア人夫婦のあいだでは、どんなことにも「恥ずかしい」という感情はないんだよ。 そもそも必要がないし。
 重要なのは、毎日、妻に対して愛情表現の一環として甘い(優しい)言葉をかけつづけ、どれだけ愛しているのかを聞かせること。
 仕事で忙しくて妻といる時間がたくさんもてない人でも、甘い言葉を一言かけるぐらいの時間はあるはずだから、毎日一言、実践するといいと思うよ。
 この『甘い言葉』をかけるのが難しいのはよくわかるけれど、そんな小さな一言が夫婦間をより良い関係に導いていくと思うよ。ぜひ、試してほしいんだけどな。

 うーん、ここまで聞いていると、日本人がいかに恋愛コミュニケーションスキルが低いかわかる気がしますね。
 ちなみにこのピエルカルロさんと結婚したリコちゃんにも、魅力を保つ秘訣を聞いてみました。その内容は次回、お届けしますね。
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