もっと傷つけばいい
「――うっ…んっ!」

まるで鞭で叩かれているような痛みに、あたしは耐えることができない。

痛い…。

できることなら、抜いて欲しい…。

「――ナギ、力を抜いて…。

僕がもうっ…」

ソウのキレイな顔が歪んでいる。

「――そんな…む、無理…!」

あたしは首を横に振った。

力なんて、どうやって抜けって言うのよ…。

「――あっ!」

あたしの躰を鋭い痛みが襲った。

もしかしたら、今ので裂けちゃったかも知れない…。
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