もっと傷つけばいい
ソウはあたしの願いに気づいていないと言うように、
「――もっと傷つけばいい…」

呟くように言った。

「――傷ついてよ、ナギ…」

そう言ったソウの声は、震えていた。

「――うっ…」

彼のキレイな顔は、また歪んだ。

「――もうっ、無理…だ…」

ソウが息を深く吐いた瞬間、あたしの躰に強い衝撃を感じた。

「――んっ…」

初めての衝撃に、頭の中が真っ白になる。

「――ナギ…」

ソウの声が、だんだん遠くなって行く。

「――僕は…」
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