初恋はイケメンヤンキー
「日野、なんで平野がいるんだ?」



「え?平野って、那智ちゃん?」



キョトンとしながら聞き返す日野に、コクッと短く頷いて返事した。



「えっと、那智ちゃんも一緒に勉強したいんだって」



「ふーん。平野、オレの勉強の邪魔すんなよ」



「し、しないわよ!」



それならいいんだけど。


できればオレと日野の時間も邪魔しないでほしい。



「おし、図書館行こうぜ」



「う「早く行こ!」



平野が日野の返事を遮った。



なんだコイツ。



やけに張り切ってやがる。



しかもオレにベタベタとくっついてきて、歩きにくい。



「なぁ平野。ちょっと離れてくんねぇ?」



「えー?なんで?」



「歩きにくい」



「そっか」



どーせなら、退いてほしい。



なんでわざわざオレと日野の間に入ろうとすんだ?



平野の考えが全くわからねぇ。



本人に悪気がないのは確かだが。



この勉強会、どうなるんだろうか。



ちゃんと勉強できるのか、今から不安になってきた…。
< 33 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop