初恋はイケメンヤンキー
……。



一瞬、オレの思考が止まった。



「え?」



これって…。



オレが好きって。



日野が…。



「〜っ!!!よっしゃ〜!!!!」



嬉しさのあまり、叫んだ。



なんだこれ!



今までのオレの人生の中で1番嬉しい出来事だぞ!



両想いってやつじゃん!



あー、日野がオレを好き。



なんか夢みてぇだ。



バフッとベッドに倒れ込んだ。



夢とかだったら絶対覚めないでくれよ〜。



オレは試しに自分の頬をつねってみた。



「いっ〜!!」



ちくしょー、強くつねりすぎた。



でも、実感が湧いた。



やべーぞ。



新学期ちゃんと日野と話せるかな?



その前に今日寝れねぇかも。



オレが1人で興奮して、夢見心地になっていると、部屋のドアが開いた。



ーガチャ



だ、誰だ?!



…って。



「なんだよ姉貴」



今ドアにもたれかかっているこの女はオレの姉。



水沢 杏里(ミズサワ アンリ)だ。



こいつはレディースのトップだった。



まあ、姉弟そろってヤンキーってわけ。



たぶんオレがヤンキーになったのは姉貴が原因だけどな。



「なんだよとは何よ。うっせぇんだよ…あ、うるさいわよ」



「あのさ〜、もう諦めれば?」



姉貴は最近、レディース時代のしゃべり方を直そうとしている。



全然進歩はないんだけど。



無駄な努力ってやつだな。
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