四竜帝の大陸【赤の大陸編】
「……りこ」

真珠色の髪を強く握る私を見て、竜帝さんは目を細めた。
 
「あら? ふふっ……可愛らしいこと。大丈夫、こちらにいらっしゃい」
「わ、私はっ……っ!?」

私の身体は、ハクから離れ。
豊かな胸を持つ赤の竜帝さんに、横抱きにされてしまった。

「りこ」

私と彼を繋ぐそれを。
ハクはすっと後ろに下がる動作で、するりと引き抜いてしまう。

「な、なんで……ハク?」
「……りこ、我は」

私の手から引き抜かれた、一房の真珠色の長い髪。
それをハクは両手のひらで受け止めて。 

「ハクちゃん?」

顔を寄せ、口付けた。

「りこ。我は貴女が好きだ……」

ハクの大きな手が合わさり。
真珠色の髪を包み込む。

「好きなのだ……身も心も、魂までも喰らい尽くしたいと願うほどに……」

まるで、祈りを捧げるかのように。
拳に、ハクは額を押し付けた。

「我はりこが大好き、なのだ」
「……ハ……ク」

その姿は。
セイフォンに居た時の、彼を思い起こさせた。

竜体時の鋭い爪や強い握力で私を傷つけるのを恐れて。
触りたいのを我慢して、両手をぎゅっと握っていた小さな白い竜……。

「だから……我は……」

ああ、この人は。
なんて、なんて…………。

「ハ、ク……」

なんて。

愛おしい、存在(ひと)。










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