四竜帝の大陸【赤の大陸編】
「3分以内に人員の確認をしなさい。いなくなっている者がいるかを、私は知りたい。20秒遅れ毎に一人殺す。---さあ、さっさとお行き!」
「なっ!? は、はいっ!」
足を縺れさせながらも懸命に走り、シャデル少年は天幕を一つ一つ覗き込み、隠れていた商隊の人間達を外へと追いやる。
目をせわしなく動かして一人一人の顔を見て確認し、指をおって総人数をカウントしていく。
俺とカイユは黙ったまま周囲を眺め、風に混じる臭いと音を拾う。
竜族は人間より嗅覚も聴力も勝っている。
あの少年に見つからぬように逃亡を謀る者がいた場合も、こちらで察知可能だ。
真っ青な顔で駆け出した少年が、真っ赤な顔で戻ってくるまで3分以上かかったが。
カイユは一人も殺さなかった。
まぁ、3分でって言ったのは、緊張感を引き上げて集中力を高めるためだろう。
あの少年が3分で人員確認ができるなんざ、はなからカイユも思っちゃいない。
まぁ、軽~く脅しただけで、最初から殺す“予定”ではなかったんだろう。
一人も殺さず、短気なカイユが15分程待った。
「……分かったようね」
シャデル少年は息を荒げながら、必死の形相でカイユに駆け寄り口を開く。
「わ、わかったよ! い、いい、いっ、いなくなっってたのは、あいつだっ!」
……あいつ?
それじゃ、俺とカイユにはわからねぇ。
せめて性別と名前くらいは、言って欲しいんだが……。
もし竜騎士団のやつでこんな報告の仕方するのがいたら、俺だったら速攻で張り飛ばしてるぜ?
「なっ!? は、はいっ!」
足を縺れさせながらも懸命に走り、シャデル少年は天幕を一つ一つ覗き込み、隠れていた商隊の人間達を外へと追いやる。
目をせわしなく動かして一人一人の顔を見て確認し、指をおって総人数をカウントしていく。
俺とカイユは黙ったまま周囲を眺め、風に混じる臭いと音を拾う。
竜族は人間より嗅覚も聴力も勝っている。
あの少年に見つからぬように逃亡を謀る者がいた場合も、こちらで察知可能だ。
真っ青な顔で駆け出した少年が、真っ赤な顔で戻ってくるまで3分以上かかったが。
カイユは一人も殺さなかった。
まぁ、3分でって言ったのは、緊張感を引き上げて集中力を高めるためだろう。
あの少年が3分で人員確認ができるなんざ、はなからカイユも思っちゃいない。
まぁ、軽~く脅しただけで、最初から殺す“予定”ではなかったんだろう。
一人も殺さず、短気なカイユが15分程待った。
「……分かったようね」
シャデル少年は息を荒げながら、必死の形相でカイユに駆け寄り口を開く。
「わ、わかったよ! い、いい、いっ、いなくなっってたのは、あいつだっ!」
……あいつ?
それじゃ、俺とカイユにはわからねぇ。
せめて性別と名前くらいは、言って欲しいんだが……。
もし竜騎士団のやつでこんな報告の仕方するのがいたら、俺だったら速攻で張り飛ばしてるぜ?