黄泉送り ~3人の悪霊と1つの願い~
▽呪いのコトバ

呪いのコトバ?
─ここじゃない─の、一体どこが呪いのコトバだというのか?
噂の様に呪い殺せるとは、どうしても思えない。


俺は部屋の真ん中に横たわり、天井の隅を見詰めながら考える。悪霊は地縛霊。その場所に、何らかの理由で縛られた存在だ。

もしかして呪いのコトバとは、あの少女に対するものなのではないのか。
あの少女を縛っているものが、「ここじゃない」のではないのか。
もしそうだとすれば、もう一度あの少女に会わなければならない。

また・・・?
ドッと汗が噴き出す。
結果的に何も無かったとはいえ、再びあの少女に会うとなれば躊躇する。怖くなかった訳ではない。動けなかっただけなのだ。それに、2回目も見逃してくれる保証はない。

いや待て。その前に、あの八幡橋交差点で起きた交通事故の事を、少し調べた方がいいのかも知れない。

あの少女が、一体何に縛られているのか。
そこから始めよう。




< 25 / 100 >

この作品をシェア

pagetop