黄泉送り ~3人の悪霊と1つの願い~
◇隠された真実

「なるほどね」
そう呟くなり、瑠衣は間の前に並べられたランチを食べ始めた。確かに、ランチのゲットも重要なミッションだ。瑠衣に引き摺られる様に、俺もフォークを手にする。

一通り口に入れた後、瑠衣が口を開いた。

「つまり赤坂さんは、実は自分の知らないところで2人は喧嘩していて・・・笠原さんがマキさんを恨んでいて、それで取り憑いていると。
そのせいで、マキさんの様子がおかしいと?」

「そんな感じかな?」

「だから、本当に笠原君が悪霊になっているなら、どうにかして追い払えないものかと、思っている訳ですね?」

「まあ、そんなところ」


瑠衣は再び黙り込むと、瞑想する様に目を閉じる。今聞いた話を分析し、仮説を立てようとしているのだろう。

「赤坂さん」
「なに?」
「仕事が終わった後、マキさんの自宅に行けますか?」
「マキは一人暮らしだし、勝手に上がり込むくらいは出来ると思う」
「じゃあ、今夜にでもマキさんの自宅に乗り込みましょう」

その後、20時にもう一度この場所で待ち合わせし、再度解散することになった。


「瑠衣、何か分かったんだろう?」
赤坂さんが去った後、最後に出てきたアイスを自腹で追加注文し、チョコチョコとスプーンでつつく。
「うーん・・・まあ、あくまでも予想だけどね」

自信に溢れた表情で、瑠衣がニヤリと不敵に笑った。





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