君と金魚、夜





「あっ、お前ら待て!」




あたし達は走ろうとした。


そこで呼び止められて止まる。




「今日桐原が休んでたんだけど知らない?」


「あっ…」


「あたしのせいです…」


「何で西森?いや、あまり仲良くはないと思ってたけど」


「違うよ、水希ちゃんじゃなくてあたしが悪いんだと思う…でも茅にも話してみます」


「また何かあったら言えよ」




春村先生は深く聞かずに数学教材室に入って行く。




「茅のことはあたしが何とかするから、茅だって悪い子じゃないし」


「うん」


「そしたらみんなで遊びに行こうよ!」


「そうだね」




あたしは華ちゃんのおかげで何かを受け取った気がする。





< 158 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop