好きになった人、愛した人。
兄弟
翌日、1階へおりるとキッチンに3人全員が集まっていた。


昨日の話合いの後、叔母さんに髪を切ってもらった太一はすごくスッキリして見える。



「おはよう」


そう言うと、3人分の「おはよう」が、返ってくる。


こんなどこにでもある朝食風景に思わず泣きそうになり、あたしは慌ててキッチンに立った。


「結衣叔母さん、あたしご飯つけるね」


「えぇ。ありがとう」


そう言って微笑む顔は穏やかで、ようやく家族本来の姿を取り戻せたと感じているようだった。
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