好きになった人、愛した人。
海外留学
見事に優勝をしたあたしは受賞後すぐに病院へ行こうと考えていた。


しかし、日本だけでなく世界的に有名なコンテストで優勝したとなると、そう簡単に帰れるものではなのだと、初めて知った。


コンテストが終わって会場のお客さんが引いた後には、テレビ取材が待っていた。


なれないカメラを向けられて、必死で笑顔をとりつくろう。


次から次へと取材に来るキャスターたちはみな同様にあたしを褒めて、用意してあった花束を渡してくれた。



あたしはその花束を笑顔で受け取りながらも、ずっと奈生のことが頭から離れなかった。

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