好きになった人、愛した人。
その言葉をかき消すように、講師たちの「おめでとう!!」の声に包まれていた。


「すごいじゃん、優勝なんて!」


4位で呼ばれて小さなトロフィーを貰った仲間が、本当に嬉しそうにそう言ってきた。


「ありがとう……」


本当は1位がほしかったはずなのに、そうやって笑ってくれることが嬉しくて、あたしは目の奥がジンッとした。


「さぁ、一旦大学へ戻りましょうか。みんなにも報告しなきゃいけないし。打ち上げもあるし」


「う、打ち上げですか?」


「当然でしょう? なんてたって最優秀賞を取ったんだから!」
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