好きになった人、愛した人。
落ち着く時間
病院の部屋をノックして空けたあたしは、懐かしい人物に出会うことになる。


それは、矢原の両親だった。


高校時代に何度か家にお邪魔したことがあるので、顔を知っていた。


「お久しぶりです」


慌てて挨拶をすると、2人とも少し疲れたような笑顔で会釈してきた。


そうか。


奈生のお見舞いはいつも昼間に来てるのか。


今まで両親に会わないなと思っていたけれど、病院に来る時間が違ったかららしい。
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