7分の1のスキ。


…そう、思うのに、

やっぱり少し怖い。




はぁ、とため息をついたあたしのケータイが鳴り響いた。
あまりのうるささに、ピクリと体が跳ねる。



「もしもし?」


『ん。』

「三木くん…」

『なに?』


「どしたの?」


『あー……いや』


ん?何この会話。
なにがしたいんだろう、あたし達。


でも、ケータイからは優しい声が聞こえて。
胸の奥が苦しい。

もっと、もっと近くでこの声を聞きたい。

三木くんの声を。


会いたいな…
『会いたい』


あたしがそう思ったのと、ケータイから聞こえたその声は、ほぼ同時だった。


『と、思って』

「うん、あたしも」


笑いあうあたし達。
あー、なんか…恋人同士って感じだなぁ…

『今、ヒマ?』


「うん、大丈夫」

『そっか。じゃあ前の公園行くから、待ってて』

「はぁい」


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