空色の恋



「さすがだね」


部室に戻ったあたしに紫歩が言い

1年の部員全員がうなずく


「勘弁してよ

そもそも体育祭はクラス対抗でしょ?

だからあたしだってあんなまじめにやったのに

何で個人順位まで貼り出されてんの?!」


あたしはため息をつく


「まぁまぁ

1位でそんなに文句言わないでよ」


同じく女バスの山本七海(やまもとななみ)に言われる


「1位なんて嬉しくない!」




そんなあたしは柊澄空(ひいらぎそら)

ルックスも頭もそこそこの女子高生1年目

父親譲りの運動神経の良さだけは人並み外れている

それに加えて負けず嫌いだからなんだかんだ言って結局スポーツは1番ばっかり

性格は男っぽいから男にはモテない

女子にはいっつも頼られて相談役って感じ

それがあたし



いや違う


こんなのあたしが願ってるあたしじゃない



< 4 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop