視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
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大輔が倒れた後、おばさんの所に行った長田さんは直ぐにリビングに戻り、
『奥さんもトイレで吐いた後、意識を無くしたらしい…。でも、奥さんも大丈夫だよ。』
と、私に教えてくれた。

夕方になっても大輔とおばさんは目を覚ます事がなくて、おじさんと長田さんは私に帰る様促した。


「何かあったら、連絡するから。…ね?」


と、おじさんに言われて、私は後ろ髪を引かれる想いで隣家の自宅に戻ったんだ。

もし、大輔やおばさん、そして私の前に【黒い靄】が来たらどうしよう…という不安はあった。

だけど、そんな事は起こらず夜は更けていく。

私は、香里奈と香里奈のお母さんが、無事、早く戻れます様に…と願いながら眠りについた…。


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