視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
知らない私

--- その日の放課後。


昼休みに色々な話を聞いた私は、凄く疲れて頭痛を感じていた。

部活の顧問の先生に、
『顔色が悪いな。今日は帰りなさい。』
と、そう言われて私は部室に戻り、帰り支度を済ませて戸を開けた。

出た先には制服を着た大輔が立っていて、同じテニス部だった大輔に、
『部活はどうしたの?なんで制服着てるの?』
と聞いたら、大輔は、
『香歩が心配だから、俺が家まで送るって顧問に言ってきた。』
と、そう言ったんだ。


「それ、先生納得したの?」


「いや。強行突破。ま、たまにはいいだろ?」


「たまにはって…。んー、でも、ありがとう。本当はけっこうキツいんだー…。」


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