視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~



--- ガチャッ…キィ…


私の直ぐ近くにあった取調室の戸が、そう音を出しながらゆっくりと開いていった。


「…な…長田さん?!!」


そう叫んではみたけれど、長田さんはおろか、誰も入ってくる気配はない。


視線を【黒い靄】に戻すと、それは私の直ぐ近くまで来ていて…









『サア…セツ。ココカラ出ルンダ…。』








「……っっ。」











『囲ワレテイル君ヲ、見テイタクハナイ…。』










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