視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
もう、一人きり…
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「……ほ…香歩…。」


私の名前を呼ぶのは…誰…?


「…香歩…香歩っっ。」


その声に導かれる様に、わたしはゆっくりと目を開いた。


ここ…私の部屋…


「香歩っ?!」


私が声のする方に目を向けると、そこには心配そうに私を見下ろす大輔の姿があった。


「大輔……。」


「大丈夫か?!突き飛ばされたって聞いたけど、どこか痛い所とかないか?!」


「…え?…突き飛ばされた?」


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