視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~

お父さんは、お母さんの骨壺が入った箱を仏壇に移し、その前に俯いて座り込んでいた。


私は、そんなお父さんに声をかけられずに、2階の自室へと向かう。



私が居なければ、
誰も、傷付かなかったのに…
私が居なければ、
誰も死なずに…



「……ヒック…お母…さん…。」



もう…これ以上…

ここに居てはいけないんだ…

それなら、私は…っっ




私は自室に入り”手紙”を書いた。






”さよなら”を、する為に…




< 203 / 252 >

この作品をシェア

pagetop