視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
抜けない疲労感

S中学校 ~ 職員室 ~


大輔が居なくなってから1週間が過ぎた。
私は今、大輔の担任の山田先生に呼ばれて職員室に来ている。

多分、大輔の両親や、警察と同じ事を聞かれるんだと思う。
大輔の最後の行動や、会話から、やり取りまで。

また繰り返されるだろう質問に、私は気付かれない様に小さなため息をついた。

だけど、山田先生は私が予想していた事とは違う事を聞いてきたんだ。


「市川。お前、松原がどこに居るのか知っているんだろう?話しなさい。」


「えっ?」


山田先生は、まるで私が大輔の居場所を知ってるんだと、断定的に言った。

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