世界聖戦
「ここはサン・ピエトロ大聖堂よ。わかってる?ヴァチカンの本拠地、いわばキリスト教の本拠地なの。カトリック、プロテスタント合わせて15億近いキリスト教徒の聖地と言ってもいいわ。そんな聖地でお前達…」

ファティマは酷く冷たい声で言い放つ。

「何をやってくれているの…?」

「!!!!!!!!」

決して怒号でも絶叫でもなかった。

冷たくはあるが、穏やかな静かな声。

にもかかわらず、スカラ・レージャを上がりかけていたヘヴンとカタリナは体勢を崩しそうなほどの風圧を感じた。

正確には風圧ではあるまい。

声にそこまでの風圧が出せる筈がない。

ならばそれは『神の息吹』とでも言うべきか。

唯一神と同一の存在、ファティマだからこそできる言霊の類だった。

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