世界聖戦
「サタンは、見たこともない奇怪な動物の形をしていたのでそれと分かりましたが…」

ゆっくりと愉しむように詠唱を続けていたファティマだったが。

「あら?」

ランスロットが地面に横たわり、動きを見せなくなった事に気付く。

アロンダイトこそ握り締めたままだが、血塗れになったその身は動く事はない。

「精神が限界に達して肉体の死を迎えたかしら?思ったより強い精神だったけどね」

クスッと笑う彼女の前で。

「あ」

ランスロットが微かに痙攣する。

「なぁんだ、まだ生きてるじゃない。中途半端で終わらせるのって気持ち悪かったのよね」

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