世界聖戦
再び場面は変わる。

ヴェネツィア。

イタリアの北東部に位置するヴェネト州の州都、ヴェネツィア県の県庁所在地である。

中世にはヴェネツィア共和国の首都として栄えた都市で、『アドリア海の女王』『水の都』『アドリア海の真珠』などの別名をもつ。

アドリア海の最深部、ヴェネツィア湾にできた潟『ラグーナ』の上に築かれた、運河が縦横に走る水の都である。

…その運河にかかる橋の上を歩く、若きシスター。

シスター・カタリナ。

修道服に身を包んでいるが、赤い瞳が印象的、軽くウエーブのかかったロングの金髪がフードから、背中から見え隠れする。

名は教徒名であり、本名は不明。

美貌の上に巨乳。

言葉遣いは丁寧でどんな者にも慈悲深いが、魔物に対しては残忍なまでの神罰を与える。

そんな彼女の前に。

「!」

魔物以外の者が立ちはだかる。

短めの金髪、眼鏡をかけており、黒の修道服を着用したイギリス人男性。

その手には、簡素な装飾の施された鞘に納められた西洋刀…。

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