forget-me-not







「ねぇー?」


「何?」



「ねぇー?」



「……」




沈黙。





「いきなり黙るなってー」


イオがぐずるように言うと、呆れたようにウルドが顔を上げる。


汗をかき、疲れた様子のイオと、汗などかかず、爽やかなウルド。


対照的。




「イオ、あともう少しで次の町に着くから頑張ろう」


ウルドは不器用にイオを励ます。

渋々イオは黙った。







二人は自然豊かな村ハノエラを発ち、次の町を目指しているところ。




やっと森を抜けたと思ったら次は寂れた荒野。


遥か先は土埃のせいか霞んで見えない。



それにより次の町が見えないせいで、じれったいイオはしきりにウルドにちょっかいをだしていた。





鬱陶しいながらも、ウルドはイオの悪戯に照れつつ、しっかりと反応していた。





こんな他愛もないやり取り。
自分には決してあり得ない夢だと思っていた…。





ウルドは切なげな表情でイオを見据えた。







夢は永遠には続かない。



いつかはこの夢も覚めてしまう?





ウルドは耐え切れずに視線を地面に移した。



乾いた大地が悲しみを引き寄せる。
寂しげにウルドを誘うのだ。






「ウルド……悲しそうな顔。

そんな顔しないで、一緒に歌おう」




イオはまた、突拍子もないことを言いだす。



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