こらしめ屋

7年間





7年前、両親に捨てられたあたしは、カラッポだった。

世界で1番信用していた大切な2人に、ある日、突然 姿を消され、裏切られたのだから。



そのショックで、あたしは感情を表に出すことをやめた。


馴れ合ってまた裏切られるくらいなら、何にも感心を示さず、近寄って来た人達に笑顔を向けることはもちろん、その他一切の感情を表さないことで、他人との距離をとった。


そうすれば、もう傷つかずにすむ。

手に入れた大切なものを、理不尽に取り上げられることもない。



心を許して傷つけられるくらいなら、誰にも心を許さずに孤独に堪える方がマシだと思っていた。









海に出会うまでは……







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