16の月-過去に戻れたら‥【完結】


コンクリートの階段を1つ1つ力なく登る。


もう少しで俺の部屋へと辿り着こうとした時‥


里美が立っていた…



「もぉー!修吾ったら何してたのー?電話にも出ないしぃ~」



「…。」



「なになに~?修吾、超暗いんだけどぉ。キャハハ!!」



里美のテンションがうざい…



「…ごめん…今日は帰ってくれないか‥」



「ええー?なんでぇ?せっかく来たのにぃ。
大丈夫!修吾、超暗いから里美が癒してあげる!」



そう言って、俺の手から鍵を引ったくり、鍵穴へ差そうとした。



「…いいから、帰れ。帰ってくれ…帰れ!!!」



ついつい…

怒鳴ってしまった…


里美がビックリして泣きそうな顔になった。



「修吾の馬鹿!!」
と言って駆け出して帰って行った…



キィーっと音がして、隣から中野が恐る恐る顔を出した…




「修吾…どうしたんだよ…」




中野を無視し、家の扉を閉めた。



< 116 / 205 >

この作品をシェア

pagetop