淡い初恋
期末テストの結果が張り出されたあの日、私はその張り紙の前で騒いでる高梨希を見た。なんで、大して頭も良くない女が、これと言って何の取り柄もない平凡な女が、千堂くんの彼女なの?

もはや、自分が2位だったという残念な結果よりも千堂くんの彼女が高梨希だということにつくづく呆れ返った。

なんであんな女なの?私よりも頭良い訳ではない、私より可愛いわけではない、私よりスタイルが言い訳でもない、私より劣ってるのに・・・
なんであの子を選んだの?ねぇ、私の何があの子より劣ってるというの・・・?


古典の授業で源氏物語の冒頭の訳を高梨希が訳した。私は、彼女を一瞥した。自分が身の程知らずと気づいたのか微かに彼女の手が震えていた。
馬鹿女、気付くのが遅いよ。

休み時間、取り巻き数名と女子トイレいると、あの女が入ってきた。すると一人の女が「やっと気づいたの?」と言い、彼女が後ろを振り返った。「ってか、なんであんたみたいな平凡で大したこともない女が千堂くんと付き合ってるわけ?あんた程度の女だったら私でもイケるじゃん。なんで?千堂くんってストライクゾーン広いの?」と言った。『私でもイケる』というセリフに内心カチンときたが、気にせず高梨希を見ると「い、いやその。」と彼女は口ごもっていた。煽るように他の女が「ってか、身の程知らずなんだよ!千堂くんのように立派で素敵な人には玲奈の方がお似合いなんだっつーの!」と言った。

私はあくまでも冷静を保ちながら微笑むと「千堂くんって優しいから、同情で付き合ってあげてるのよ。でも、早く彼の気持ちに気づいてあげてね?」と精一杯の強がりを言った。

彼女は耐え切れなくてその場を後にすると私達はクスクスと笑った。


あーあの女マジむかつく!とほぼ同時に思ったことを一人の女が言ってドアを蹴り飛ばした。身も蓋もないがさつな女を尻目に私は心の中で高梨希を憎んだ。しぶとくて、目障りな女・・・。見てるとイライラする。私は、そう、思った。

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