愛してるの言葉じゃ足りなくて

第一章 運命の彼

春、心地よい風に揺られながら、登校する私、立花 唯香は今日から高校生になる。

「おはよーゆいか。」少し眠そうな顔をして、やってきた私の親友、咲坂 茜。「おはよ。あかね」短めなあいさつを済ませて学校へと急ぐ。

学校へ着くと体育館で入学式が始まる。

これがまた校長先生の話が長くて眠くなりそうだった。

入学式が終わると、クラス別に教室へと戻る。
運良く私は茜と同じクラスだったので話しながら教室まで歩いた。

教室に着くと、ほとんどグループになって話していた。
私と茜は一番最初に話しかけてきてくれた'神崎 紫乃'と'矢中 美咲'と友達になった。

そして、教室に担任らしき先生が入ってきた。その先生は面白そうな人だった。
先生の話が一通り終わると、ホームルームで席を決めた。残念ながら茜とは席が離れてしまったが。

そして私の隣はというと…どこかで見たことがあるような…そんな雰囲気の男子。とか思っていると、「ねぇ、どっかで会ったことないかな？」この人は私の考えていることがわかるのか、そのようなことを言ってきた。
「私も丁度同じことを思ってたんだよね。どっかで会ったことあったっけ？」

「うーん…あ、自己紹介でもしようか。」
「そだね。私は立花 唯香。」
そういうと彼は驚いたように目を見開いた。「ど、どうしたの…？」

「あ、いや なんでもないよ。俺は相田 陽介。」


「唯香って可愛い名前だね。」

ドキッ

「そ、そんなこと言われたことないや。」少し照れ気味に言った。

「俺は好きだなぁ。ねぇ、唯香って呼んでいい？」

「う、うん！」

「よし、じゃあ俺のことも陽介ね。」

「わかった…。」

先生の長〜いホームルームが終わり、やっと下校の時間に。

「じゃあね。唯香っ！」笑顔で手を振り、たくさんの男子たちと教室を出ていく陽介。恥ずかしいけどちょっと優越感がある。「ばいばい。陽介」私は胸の近くで小さくてを振った。
「なになに？ゆいか、あの人と付き合ってんの〜？」と茜と紫乃と美咲がニヤニヤと笑いながら言ってきた。
「そ、そんなんじゃないよっ！席が隣だから仲良くなっただけだしっ！」
「