オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
果たして、あたしはこんな気色悪い先輩に優しくなんてしてあげられるのだろうか。
そして、まだ見ぬ七面鳥を食べられる魅惑の招待券を譲ってもらうことはできるだろうか。
ああ、前途多難だ。
それにしても、もう頭の中はケーキバイキングと七面鳥だらけだというのだから、しっかり“食べ物”に釣られているな、あたし……。
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とはいえ、こちらの準備も怠ってはいけない。
翌日。
大学構内で純平の姿を見つけたあたしは、近くに葉司の姿がないことを十分に確認してから、そのバスケバカでゴリラに駆け寄った。
「よっ、純平。突然だけど、クリスマスイブは空いてる? てか、空いてないわけないよね。てことで、クリスマスディナーつき合って」
「うおぉ、なんだよ、まことか。てか、空いてないわけないよねとか、けっこう失礼だな」
「なによ、純平のくせに予定あるの?」
盛大に驚いたあと、バスケバカでゴリラのくせに、失礼だ、なんて言ってくるものだから、あたしはちょっとだけ気分を害し、ふんと鼻息を荒くしながらそう尋ねる。
なにさ、純平にまでクリスマスに予定があったら、あたしマジで泣いちゃうぞ。