オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
結局、その後も竹山の猛烈アプローチの噂は消えることはなく、葉司と竹山が一緒にいる場面を見たという学生の情報も増え続けた。
それでもひとつ、よかったな、と思うことは、葉司が“そっち方向の人”なのかも、という噂だは、なぜかちっとも立たなかったことだ。
噂が続いているとはいっても、就職難なこのご時世ゆえ、噂話にかまけていられる時間は正直なところないのが実状なようで、学生たちはみな、現実をしっかりと見つめている。
そうした状況を加味すると、噂はあってないようなもの、と結論づけられそうなのだけれど、葉司のこととなると嫌でも聞き耳が立ってしまい、あたしの心は一向に落ち着かない。
噂話が消えるのが先か、あたしの心が落ち着くのが先か、いや、どちらでもないだろうな……、などという、堂々巡りな日々が続いている。
そんなある日のこと。
「……、……。……、……校門が変」
「いやいや、待て待て、別に校門は変じゃないだろ。なんでお前がここにいるんだよ、みたいな、露骨に嫌な顔をしろよ、ちんくしゃ」
「あー、じゃあ、もっかいやり直します?」
「アホか、時間の無駄じゃ!」
竹山に出会った。