オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
 
なんだか、すごく濃くて長い1日で、気分的にはマラソンを走ったあとのような感じなのだけれど、ひとつ、葉司のことで解決できたことがあって、本当によかったと思う。

あたしはあくまで他人であり、残念ながら、葉司たち親子の葛藤や強い愛の繋がりの全部を理解することは、不可能だとは思っている。

けれど、その場に立ち会えたことは、あたしの中ですごく大きいことで、喜びでもあり、自分の気持ちが向かっている方向をきちんと見定めなくては、と、本当の意味で覚悟を決めたきっかけになったことは、明らかだ。


葉司も一歩前に進み、あたしを“カッパハゲ”と叱咤激励してくれた竹山も頑張っている。

あたしだって、オトコの娘と男の間の曖昧な境目のことを、葉司が考え抜き、悩み抜くのを待っているだけではいけないはずなのだ。


「……よし!やるぞ、あたしは!」


具体的に何をやるかは、まだ全然決めていないのだけれど、缶チューハイをぐっと突き上げ、とりあえず決意表明をしてみる。

本当の意味での覚悟も決まったことだし、あたしも、あたしなりに頑張らなくては……!


そう決意を新たにした、午前0時。

長かった1日は、こうして終わったのだった。
 
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