オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
 
あれから竹山の動向は把握していないし、ちゃんと答えを出してから会うつもりでいるとメルさんにも話したけれど、だいぶ時間が経っていて、それだけが大いに気がかりだ。

なにしろ、最後に竹山に会ったのは1月の末。

校門であたしを待ち構え、カッパハゲだの、なんだのと、やいやい言いながら、結局は“ちゃんと頑張れ”とお尻を叩かれて以来である。

「はっ、今さらすぎる」などと鼻で笑われてしまったら、あたしには返す言葉もない。


「はっ、今さらすぎる!遅いわけないじゃん。葉司君も、メルさんも、竹山も、みんな待ってるはずだよ。さあ、いっちょ、マコのでっかい愛を見せに行こうじゃないの!」

「……うん!!」


一瞬、竹山が言いそうな台詞と奈々の台詞がかぶって全身に鳥肌が立ったけれど、すっくと立ち上がり、出かける準備をはじめた奈々に大きく頷くと、あたしも急いで支度をする。

そうだ、遅くなんてないのだ。

葉司が愛しいと思えたのは、悩み、考え、迷う日々があったからこそで、その日々も丸ごと愛しいと思えなくてどうするのだ、あたし。





待っていて、みんな。

あたし、一世一代の告白をします!
 
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