オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
そうして、なーんか嫌な予感がしないでもないなー、なんて思っていると、奈々とメルさんのやり取りが耳に入り、あたしは驚愕した。
ステージって、何デスカ……? えっ、えっ、あたし、普通に告白さえさせてもらえないの!?
「ちょ、メルさんっ!ステージって何!?」
「ん? ステージっていったら、ステージよ。聞けばまことちゃん、あなた、愛菜に告白をされたのは、学園祭の企画だったそうじゃない。今度はあなたから告白するんでしょ? それなら、一生の記念になったほうがいいに決まっているわ。メモリアルよ、メモリアル」
「えー」
「嫌そうな声を出さないっ」
「なっ……!!」
なんて横暴なんだ、このセレブは……。
葉司も!……いや、ここでは愛菜か、も!
なんで全部しゃべっちゃったかなっ!! どんだけ口が軽いんだ、まったくもー!!
ただ普通に告白したいだけだというのに、こんなふうな大事になるんだったら、愛菜がバイトを終わるのを待てばよかった。
これじゃあ、あたしたちがつき合うきっかけになった一昨年の学園祭の再来ではないか、勝手にイベント化するんじゃないよっ!!
泣きたい。
猛烈に泣きたい……。