オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
 
ということで、奈々と相談をし、オトコの娘カフェへは明日の午前中、行くことに決まった。

ひとつ心配ことがあって、それは、その時間、葉司がバイトをしているか、ということだったのだけれど、得意気な顔で奈々は言う。


「大丈夫。純平に聞いて、しっかり下調べは済んでるから。いくらバスケバカのゴリラで単細胞でも、それくらいはやってもらわないと」

「単細胞って……」


なかなかひどい言われようだな……。

ここまで来ると、さすがに不憫だ。

あたしだけは、バスケバカのゴリラ、までで止めておいてあげよう、奈々に「そっか」と相づちを打ちながら、そう密かに思った。

純平、ふぁいとぉ……!


「じゃあ、どんな変装をするか、飲みながらじっくり考えるといきますか、マコさん」

「そうですな、奈々さん」


そうしてあたしたちは、夜遅くまで、どう変装するかをキャッキャと話し合い、奈々はオトコの娘姿の葉司を楽しみに、あたしはメルさんに会うのを楽しみに、けれどちょっと気が重くも感じながら、それぞれに眠りについた。

奈々、しっかり覚悟しておいたほうがいいよ。

オトコの娘カフェは、正直すごいぞ。




 
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