消えた同級生【玩具の女編】
俺は頷いた。

「病院まで送ってあげるよ…」

オッサンが優しく俺の肩を叩き俺は立ち上がった

「おい…」

俺は静かに振り返った。

「一番大事な人っていうのはな、自分が幸せになりたいから傍におくんじゃない。自分が相手を幸せにするために一緒にいるんだ。わかるか?」

俺はまた涙が溢れ、また頷いた。

「さあ、行こう…心配でしょ?」

俺はオッサンに連れられ、車に乗って病院に行った。
急いで病室まで走ったら、面会謝絶の札が無くなっていた。

俺の心はさっと晴れ、急いでドアを開けた。

しかし中はものけの空だった…

「…え?」

胸騒ぎがしてナースステーションに駆け寄った。

「昨日の朝までいた如月蒼湖はどうなったんですか!?」

「…如月さんは転院されました」

「転院って…どこの病院ですか!?」

「申し訳ありませんが、お答えすることはできかねます。如月さん…お母様からの伝言なんです。誰にも言うなと…」

「そ、そんな…お願いします!教えてください!!お願いします!」

俺はナースステーションの前で土下座をした。
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