消えた同級生【玩具の女編】
「だから、一緒に行こう!」

「…良かった、あなたが彼を見てけてくれて。彼を信じてくれて…良かった」


ああ、蒼湖が言ってた人はやっぱり寒河江だったんだ…


「ねぇ…蒼湖…やっぱり寒河江の事好きだったんだよね?憎んでなんかいなかったんだよね?」

蒼湖はゆっくり顔をあげた。

私は初めて蒼湖と見つめ合うことが出来た。

やっと…私…

蒼湖は私なんかよりずっと大人っぽく優しそうで、素敵な笑顔を作っている

「それはあなたがもう知ってることでしょ?」

「え?」

蒼湖が持っていた箱を開くと、中から光り輝く大量の泡が溢れ出してきて、私を上へ上へと押し上げていく

「待って…、蒼湖も一緒に…」

『ありがとう』

たくさんの泡の間からやっと見えた蒼湖は、微笑んで泡になって消えてしまった

…そ、そんな…助けるつもりだったのに!

解放してあげたかったのに!

その時突然水面が近付き、外に出る瞬間あまりの眩しさに、私は固く目を閉じた。


『……死ぬ事は……』
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