消えた同級生【玩具の女編】
私はまた第三社会科室に連れ込まれ、無理矢理抱かれた…

だけど今度は傷になることも、痛みを伴うこともなかった…

私はすっかり女に成ってしまったんだと実感した……

それが無性に哀しかった…


その晩も許してはくれなかった。

何度も何度も身体に寒河江を叩きこまれる。

俯せでシーツを掴んでいた私の腕を掴み、痛いくらい強く指を絡めて来た。

「…蒼湖、他の男に色目使ったら許さないからな…」

「そんな…こと…しないよ…」

「お前は誰の物なんだ?あ?」

「こんな事されて…他の人になんて…いけるわけないじゃない…」

私は汚れているんだから…

もう、初めてじゃないんだから

「それもそうか…お前は俺から逃げられない…」

「逃げられないよ…」

「可哀相だな…蒼湖…」

「だからもう…許して…」

「ダメだ!」







そういえば以前、夜中に見た緋色のデジカメに修学旅行の写真があった。その中に私と山谷君が二人で写っているものがあったことを思い出した。


彼が何でそんなのを撮ったのか、私は彼の本心を知ることは無かった…




…私が手首を切るあの時まで……
< 91 / 369 >

この作品をシェア

pagetop