【短編】レタスとサバ

劣等感プリンセス

毎朝念入りに髪を巻く。

根元がちょっと黒くなってきてる!染めなきゃ…

私は美に関して手を抜かない

だっていつアイドルの座が回ってくるかわからないし!


「行ってきまーす」

私が家を出ると目の前にたまたまサバがいた

「あれー!偶然!一緒に行こうよ」

ちっ!

私達は同じ高校…一緒に行こうが行くまいがどうせ同じ方向だ…

「ねえ、レタス!昨日どうだった?」

ツーン

「ちゃんとリポートできてた?」

ツーン

「そういえば、かすみ姉と太宰が結婚するんだって」

「うそ!」

私はつい反応してしまった…

かすみ姉は花屋の看板娘で、美人で、ついこの間街の短大を卒業して帰って来たばかり…

太宰は本屋の息子で、高校を卒業して後を継いだばかり。ボーッとした感じでそっけなく、どうもあの二人っていうのが、ピンとこない…

しかも、太宰の方が年下じゃん…

「かすみ姉の猛アタックに、太宰が観念したんだって!」

し、信じられない…

「あと、今年のミスコン、レタスが最有力候補だってよ!」

「…興味ない」

学校より、商店街だもん!
< 6 / 38 >

この作品をシェア

pagetop