キミと生きた時間【完】
6 折れない心
「何か……用?」
嫌な予感がしてとっさに身構えると、美奈子は口の端をクイッと持ち上げて意地悪な笑みを浮かべる。
「露骨に警戒されるとショックなんですけど~」
一歩一歩と近付く距離。
正面に向き直り必死に考える。
すぐに答えはでた。
今すぐに屋上から出た方がいい。
急いでお弁当のふたを閉じようとした時、
「ストーーーップ。何逃げようとしてんの?」
頭のてっぺんに美奈子の声が降ってきた。