恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
「具合でも悪いのか?」
中へ入って来た翔平は、ベッドで寝ているあたしの真横で足を止めた。
「……あ……少し……」
翔平の顔は……いつもと変わらない。
「大丈夫か?インフルエンザも流行り出したから気をつけろよ?」
そう言って、布団を掛け直す。
「……手…」
落とした視線に、包帯の巻かれた翔平の左手が映った。
一瞬顔を固まらせた翔平がそれを後ろへ隠す。
「ああ、これ。部活中にちょっとな」