恋結び ~キミのいる世界に生まれて~
翔平の低い声にハッとした。
そうだよ。
物証が残されてないっていうのに、一体。
お父さんの肩が大きく揺れたのを見逃さなかった。
なにか、嫌な予感がする。
長くて深い息を吐きながら、何かを躊躇うお父さんの口元が開きかけたとき。
「あなたっ…」
お母さんの悲痛な呼びかけに一瞬口を噤みかけるも、再びそれは開いた。
「美桜が5歳の時……母親と名乗る女性がここを訪ねてきたんだ…」