裸の街
君はなんでそんな格好をしている?
首輪はどうした?ボディースーツは?
カバンの中身を見せなさい

警官が言った。

首輪?ボディースーツ?何それ?
俺は言われた通りカバンの中身
をすべて出した
見なれぬ首輪が出てきた。

春先になると、増えるんだよな。
アンタみたいの。

出てきた首輪を妙な機械にあてながら
警官は言った。

俺は序々に状況がわかってきた
どうやら「この世界」は裸でいることが
普通のことらしい。そして首輪が
身分を証明するものらしいということを。

てことは、俺の今の姿は「俺のいた世界」
にすれば、公然わいせつ罪に値するのか?

ヤバイじゃん、それって。

しばらく悩んだ末、

すいません!魔がさしました!!

早く帰してほしい一心で、
訳のわからない罪を認めてしまった。

前科もないようだし、
今回は厳重注意ということで、
以後するんじゃないぞ。

ありがとうございます

そして俺は着ているものをすべて脱ぎ
それらを抱え、
逃げるように家へ戻った。

情けない。
こんな格好で会社に行けるわけがない。

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