オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜
◇同情か、それとも…

翌日。

蒼君が店に来て、ハルちゃんや他の皆に頭を下げた。

ハルちゃんは「次サボったらクビよ!」なんて涙目になって。

卓人さんは相変わらずクールで、蒼君の肩にぽんっと手を置いた。


「柚姫ちゃんもごめん。沢山傷つけて」

「ううん。蒼君が元気になってくれて嬉しい。また宜しくね」


私がそう言って手を差し出すと、蒼君は「お…おう…」と何故か顔を真っ赤にしながら私の手を握った。

その様子を見ていたハルちゃんが、「ま、まさか…あんた…柚姫のこと……」とワナワナ震えながら蒼君の胸倉を掴むと、

「クビよ!今すぐクビーっ‼︎‼︎」


ヒステリックな声がスタッフルームに響いた。



何でハルちゃんが怒りだしたのか、私にはわからなかったけど。

何はともあれ、丸く収まって本当に良かった。



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