結婚の賞味期限 人生の消費期限【完】

メッセージカード

今朝、あれから部屋で遅い朝食を2人っきりでとった。

それから私は半日かけてゆっくりとブライダルエステを受ける。

本当は数回は受ける方が効果が出ると言われたものの

そんな時間は許されず…

せめてと当日時間を取った。初めて受けるエステはとてもリラックスできて…

たった1回の施術でもこんなに違うのかとびっくりした。


日々自分自身に気を配る余裕はないので、せめてこんな日くらい、

少しでも綺麗な花嫁になってみずき君に見てもらいたかった。

終わったころには時間はずいぶん過ぎていて、そのまま新婦控室に入る。

選んだドレスを身に纏って色々と準備をしてもらい、控室で式を待つ。


自分の年齢と立場を考えると、

さすがに純白のフリフリで引きずるようなドレスを

着る自信はなかったので清楚で動きやすいシンプルなデザインにした。

色の入ったベージュ、デコルテ等の露出の少ない長袖でアンクル丈のドレス。

晃希がぐずってどうにもならない時は抱き上げたかったから…


もう夢なんてないと思っていたはずなのに…

短い時間であってもドレス選びは楽しかった。

好みのままに選んだわけじゃないけど、

やはりいくつになっても自分が女なんだなと思った。


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