結婚の賞味期限 人生の消費期限【完】

「ひな…いい?」

「ひな…

いい?」


隣りに立っていたみずき君が、艶やかに私の耳元に囁く…

周りにはたくさんの人…

それもこんな身近な人の前で、どうして、こんなことに

なってしまったのだろう…


私は目の前のいつもより3倍は素敵なみずき君を見つめて、

そして、眉間にしわを寄せた…

彼が私の深くなった眉間のしわにそっと愛撫するように中指を滑らせて、

「ひな…

その姿は、いつもにも増して可愛いけど…

今、眉間にしわは可愛くない…

ねっ?ただうんとちょっとだけ首をたてに振ればいいだけだよね?」


彼は私にただそれをさせたいがために

こんなことを言っているのだろうか?こんなところで、

本当にそれをしたくて…

言っているのだろうか?


私は瞼を伏せて、益々眉間にしわが寄る…


ハッとしたその時、気配が近寄ってきて、眉間に何かが触れた。

目を見開いて、確かめようとしたら、みずき君がその眉間に

ふわっともう一度キスをした…


「みずきく…「しちゃった」」

私は途中で言葉を失う。

「ヒューヒュー」

周りは口笛を吹く者もいて、拍手喝采で盛り上がっているが、

私にとってこれ以上に恥ずかしいことはなくて、

もうどうしたらいいのかわからなかった。
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