キライノカケラ
大好きの欠片
「あ~~もうほんと
俺ってホントに意気地なくてイライラする!!」


千尋が大きな声をあげた。


「どうしたの?」


「いや ホントに俺もさ実は自分が嫌いなんだ
自分勝手でプライド高くて卑怯者で意気地なしで」


千尋からそんな言葉を聞くとは思わなかったから
アタシはビックリした。


「アタシが言うセリフ?」


「いや 俺のことだよ」


千尋が笑った。
笑顔にホッとする。


「おじさんやおばさんにはわかってるのに
何で当の本人は素直に認めないのか
いや認められなかったのか・・・
認めようとしなかったのかな・・・」


「言ってることよくわからないけど?」


「だよな・・・・
俺も何て言っていいのかよくわかってないんだ
考えをまとめる前に キョンタの修羅場見て
めっちゃ動揺しちゃってさ」


いつもの千尋とは違う気がしてアタシは
落ちつきのない千尋を見ていた。
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